「争族」にならないための不動産相続のポイント①

こんにちは、
無垢スタイル建築設計 不動産「ムクエステート」の猪俣です。

相続について家を購入するお客様に聞くと多くの方が「自分がどのくらいの財産を相続するのか知らない」とお答えになります。
相続する財産の中には有価証券や美術品など現金のようにきれいに分割できないものも多くありますが、その中で多くの方が相続の対象になるのが家や土地などの「不動産」です。

被相続人(亡くなった方)がしっかりと遺言書を残していれば何も問題はありませんが、「自分はそんなに財産ないから」と、遺言書がないことが多いです。
相続で兄弟や親族が揉めるケースは非常に多く、平成30年度は全国で1万3040件もの遺産分割問題が家庭裁判所に持ち込まれています。
兄弟間、親族間の関係が悪化してしまう、いわゆる「争族」とならないように、今回は皆さんがいずれ直面することになる相続について、不動産の相続のポイントに絞って連載でご案内いたします。

相続した家や土地を分割する方法

兄弟や親族など複数人で家や土地など不動産を相続した際に分割する方法は全部で4つあり、相続する家や土地を今後どうするのかによって適した分割方法は変わります。

1. 相続した不動産を売却したい場合

相続した不動産を売却する場合は換価分割となります。
換価分割とは分割できない資産を売り、売却額を分配する方法です。
実際に売却できた金額を相続人全員が現金で受け取ることができるので、分配トラブルが起きにくい方法です。

2. 相続した家に誰かが居住する場合

相続する家に相続人の誰かが住んでおり、今後も住み続けたいという場合は現物分割か代償分割となります。

現物分割は財産ごとにそのまま分割する方法で、例えば預貯金は兄、土地建物は弟など遺産ごとに相続する人を決めていきます。

代償分割は相続する財産の変わりに自己の資産を渡す方法です。
例えば、相続人が兄弟の場合、3000万円の土地建物を兄が相続するなら、公平になるよう兄が1500万円を弟に支払うという方法です。

住んでいる家の名義を住んでいる人の名義にすることができ、ほかの相続人は別の資産や現金を相続することで公平に分配できます。
家に住むだけなら名義が別の人でも問題ありませんが、家を売却したり家を担保にしてローンを組むのは名義人でないとできないため、将来的にリフォームローンなどを組む可能性がある場合は、住む方の名義にしておくことをお勧めします。
親の古い家を受け継いでいる場合はなおさらです。

3. 相続した不動産を売却したくない場合

不動産の権利を相続人全員で持つ方法です。

例えば、兄が2分の1、弟が2分の1というように共有分割で土地建物を相続したとします。
この場合、土地や建物の半分の面積をそれぞれ相続したのではなく、1つの家や土地の権利を半分ずつ相続したということになります。
なので、売却する際には自分だけでは売れず、ほかの相続人の同意が必要になります。

自分の意思を確認せず家を勝手に売却することはできません。
家を残したいと考えている場合は有効ですが、相手が自由にできないのと同時に自分も相続した不動産を自由に売却することができなくなるため特別な理由がない限りあまりおすすめはできません。

次回は「共有分割で土地を相続してはいけない理由」をご紹介します。

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