傾いたマンションその後。。

こんにちは、無垢スタイルの不動産「ムクエステート」の猪俣です。

2015年の10月に発覚した横浜のマンションで起こった

傾斜問題のその後についての記事を見て

不動産を扱う者として色々考えさせられたのでお話しさせていただきます。

内容は皆さんご存知かと思いますが、

その後の対処についてご存知の方はそれほど多くないと思います。

まず今回は住民の決議により建て替えする事が決まっていますが、

マンション所有者全員に慰謝料として300万円が支払われたそうです。

さらに選択肢として、

「販売元が現在の新築価格で買い取る」か

「仮住まいにかかる費用の全額補助」のどちらかが選べたそうです。

まず新築価格で買い取ってもらった方は人によっては有効な選択肢だったと思われます。

現在マンションの建築価格は高騰しており、

10年前に比べ1.2倍は高くなっているため、

築9年のマンションを新築購入時の1.2倍の金額で売れるのは少なくても損はしない選択肢で

しっかり保証するという気持ちが伝わってきます。

ですが、この選択肢をされたのは約1割の方だったようで、

残りの9割の方は建て替えた建物に引き続き住むために仮住まいをし、

仮住まいにかかる費用の全額補助を受ける選択をされているようですが、

これもかなりの補償額になるとみられております。

後者を選択した一番多い理由としては、今の環境は気に入っているので、

できるだけ変えたくないという理由だそうです。

それだけ住みやすい環境なのだと思われます。

これだけ聞くと住民にとって良い話ばかりに聞こえますが、

表に出てこない弊害も沢山あるようです。

特に問題なのが「仮住まいの問題」です。

約600世帯以上が建築期間中(3年以上)に住む場所が希望の場所で

希望の広さが確保できれば良いのですが、そもそもこのマンションの周辺は製造業の工場が多く、

居住用の賃貸物件が少ないため、近くの賃貸物件ではすでに便乗値上げが始まっているそうです。

小学生のお子様がいる家庭では転校させたくない為、

学校に特別な許可を貰い遠方からでも通えるようにして、

お父さんやお母さんが毎日送り迎えを強いられるケースも今後増えると思われます。

また高齢者の方は賃貸自体に入る審査のハードルが高く、

そもそも賃貸契約ができないケースも考えられます。

実際に65歳以上の高齢の方の賃貸物件を探すと、

皆さんが想像される以上に断られることが多いです。

さらに住まいが遠くなってしまう事で通っている病院が遠くなってしまったり、

お友達と離れなければいけなくなってしまったりもします。

以上のように毎日の生活が劇的に変わってしまうことを考えると、受ける苦痛は想像に絶すると思います。

施工側も入居者様に対してできる限りの誠意を持って対応していると思います。

ですがお客様がせっかく購入されたマイホームで絶対にあってはならないことが

現実に起きてしまったことについて二度と同じようなことが起こらないように

行政の制度も含めて見直す必要があるのかもしれません。

もっと深堀していくと、今回は大手不動産会社が分譲したマンションのため、

建て替えをしたうえでもかなりの補償額を負担できるのでしょうが、

規模の小さい会社が分譲していた場合、同じように保証されるのかと考えると正直疑問に思ったりもします。

まずはお客様一人ひとりにとって人生で一番大きい買い物であるマイホームを取り扱う身として、

まずは我々不動産を取り扱う人間が誠意をもって

購入前の段階からしっかり物件に向き合うことがすぐにできる対策なのだと感じました。

無垢スタイルでは注文住宅、リフォーム、不動産の三位一体で一人一人のお客様と全力で向き合い

ご満足いただけるマイホームをご提供できるよう心がけております。

また失敗しないマイホーム作りのための各種セミナーも開催しておりますので、

ご興味がありましたら是非ご参加されることをお勧めいたします。

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